第226回 気付かない恐怖、言い出さない恐怖
「一事が万事」
ビジネスの異常は細部に表れる。
私がよく利用する
大手飲食チェーン店。
あることに気付いてから
かれこれ2年くらい経つんです。
それが何なのかと言うと
トイレに備え付けられている
「便座除菌クリーナー」ありますよね。
便座に座る際に
気になる人はシュッシュって
トイレットペーパーなどに吹き付けて
便座を拭くためのもの。
その便座クリーナーが
もう2年くらい壊れたまんまなんです。
ま、ま、そんなすぐね、
タダじゃないし、注文にも時間がかかるしね。
って最初は思ってたんです。
でも、
いい加減2年も放っておかれたら
「いつ直すんじゃい!」ってなりますよ。
こんなことばっかり言ってると
まるで私がクレーマーみたいに
思われるのは心外ですけど(笑)。
その飲食店は
接客も悪くないし
私としてはけっこうお気に入り。
でも、
「一事が万事」なんですよねぇ…。
この飲食店の
除菌クリーナー対応を通して
2つの問題が見えてきます。
1つは
お店の「体験価値」を損ねている要因に
スタッフが「おかしいと気付かない」
あるいは「おかしいと言い出さない」
という問題。
もう1つは
私たち人間は、
当たり前のように
与えられていたものがなくなると
喪失感を強く感じてしまうということ。
1つめの問題に関して、
そもそも誰も気付かないものなのか?
おそらく
除菌クリーナーの「詰め替え」作業は
「マニュアル」や「チェックリスト」に
当然入れられていたでしょうから
「気付かない」と言うのはあり得ない。
だとすると、
誰もが「他人ごと」感覚で
誰一人として「おかしい」と言い出さなかったか、
あるいは、
お店側が除菌クリーナーの
補充は行なわないと決めたのか、
どちらかでしょう。
後者のように
除菌クリーナーを補充する気がないなら
もういっそのこと撤去してほしい。
そうすれば
この飲食店を利用するたびに
いちいちこんなこと思わなくて済みますから。
このように、私たちは
他にあってここには無いもの、
以前はあったのに今は無いもの、
今はあるのに将来は無くなるもの、
には、大きな喪失感を感じる生き物。
要するに、
私たちはすぐに
現状と「比較」しちゃうんですね。
だから、
経営者は常に
自社と同業種の商品・サービスが
どのレベルで提供されているかを
しっかりと把握しておく必要がある。
そして、
改善するべきと判断したなら
すぐに行動に移すべきですよね。
今回の除菌クリーナーのように
いつまでも放っておくべきではない。
マネジメントで大切な
計画→実行→評価→改善の
PDCAサイクルの「評価」「改善」の部分が
機能していないのかもしれない。
そんな風に思ったのでした。
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日報コンサルタント 伊藤博紀
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