第127回 「ターゲット」が違えば行動も変わる
先日、訪れた
「ジ・アウトレット広島」。
かなり大規模な商業施設で
オープンしてからの大混雑から
その注目度の高さが分かりますよね。
でも、私に関して言えば
何ひとつ買物しませんでした。
また、私だけでなく
一緒に出かけた
女性の友人2人のうち1人も
「あまり欲しい服が見つからなかった。」
と残念そうに言っていました。
もう1人の女性の友人は
ジョギングを始める予定だから
トレーニングウェアを購入。
また、周りを観察してみても
買い物袋を持っている人が
正直少なかったような気がします。
ただ、
映画館もあるし、
子供の職業体験ができる店もあるし
アイススケート場もあるしと
「イオン」が運営しているだけあって
そもそもファミリー客に
ターゲットを絞っているのでしょう。
私や友人たちのように
独身の人たちにとっては
そんなに魅力的に映らないのもいわば当然。
なぜなら
私たち独身者にとって
ファッションはそもそも
他人と「差をつける」ためのものだから。
大衆ブランドのアウトレット品は
(私たちにとっては)魅力がないし、
ラグジュアリーブランドの
アウトレット品はそれなりに高いので
正規品を買った方が良いかも?
ってついつい思ってしまう(笑)
私たちはアウトレットモールでの
ショッピングに満足しなかったので
そのあと、広島市街の路面店などを探索。
私は買物しませんでしたが
女性たちはたくさん購入していました。
ちなみに私が
広島の路面店でも買わなかった理由は
「パルコ」などに入っている
若者向けのアパレルブランドは
素材が安っぽいのでオジサンが着ると
なかなかサマにならないから(笑)
ラグジュアリーブランド研究の
権威であるカプフェレ教授が
著書『カプフェレ教授のラグジュアリー論』
の中で指摘しているように
インターネットによる
情報取得コストのゼロ化、
スマホの普及による
ネットへの「常時接続化」により
人に差をつけるためのデザインは
明日には模倣化されてしまう時代です。
その結果、ファッションは
デザイン・形の差別化から
見て分かる「素材感」の差別化へと
競争の軸が変化している最中。
とくに私のような年齢になると
そこはかなり気にしてしまいます。
つまり、ファッションビジネスは
ストリートの突発的な流行りを
即座に取り入れて製造・販売することのできる
ファストファッションブランドか、
普遍的な高級感を提供する
ラグジュアリーブランドに2極化していく
傾向が強いということです。
そもそもファッションが
「人と差をつける」ためであるなら
どちらかに振り切ることが正しい選択。
普通なのは
オシャレとは言えないワケです。
また付け加えると、
私が広島の路面店系の
ブランドでも買わなかった理由は
スイッチングコストの問題も大きい。
実は私には
長年の探索の末に見付けた
お気に入りのブランドとショップが福岡にあるので
はじめてのブランドやショップで買う
リスクを振り払うほどの
アイテムには出会わなかったのも大きい。
逆に言えば、
はじめてのブランドでも
差別化されたアイテムに出会えば
どんなハードルも低く感じてしまう。
私のお気に入りブランドの
春夏シーズンの「立ち上げ」のときに
いろんなショップを
見て回ってきた女の子が
「このブルゾンが1番かわいかった。」と
58,000円もするメンズのブルゾンを
即決して購入したのをよく覚えています。
このように、自分たちが
どの「競争軸」で戦っているかを
きちんと理解していれば
どんなビジネスもブランドも
顧客離れにつながるコンセプトの迷走を
かなり防げるんじゃないだろうか?
そんな風に感じた
広島でのショッピングでした。
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日報コンサルタント 伊藤博紀
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