第89回 ~事例2~「食事処 ばんちゃ屋」

創業30年。週末は1日300人越え!
宇部市で大人気の老舗定食屋。



「食事処 ばんちゃ屋」さんは

元々、おなかの空いた学生さんを中心に

ボリュームたっぷりの「定食メニュー」を

安く・早く・おいしく提供する飲食店。



創業30年の老舗飲食店で

宇部市では知らない人が少ない人気店。



そんな繁盛店を切り盛りする

大迫店長はふとしたことから

「応援日報」を書き始めます。



でも、大迫店長には疑問がありました。


「すでにお客でいっぱいなのに
 売上なんてこれ以上伸びるだろうか?」



疑問に感じながらも

取り組んだのは「新メニュー開発」。



「ボリュームたっぷり」が代名詞の

「ばんちゃ屋」さんらしい

インパクトある新メニューが必要です。



目をつけたのは

前年に提供していた「エビ天丼」。

でも、そのままではインパクトがない。



そこで当時、

流行っていたスマホゲームの

「パズル&ドラゴン」からヒントをもらって



メニューのバリエーションとして

「通常」「ヘビー級」「超級」「地獄級」の

ボリュームと内容の違う4段階を用意。



通常サイズ1,250円に対して

「地獄級」は大盛りごはんにブラックタイガー10本、

「かき揚げ」まで乗っている驚愕のボリュームで

値段も定食屋の想定を大きく超える2,500円!

このバカみたいな(失礼!)

「ギガ盛り」メニューが大ウケし

次々とチャレンジするお客様が続出しました。



ここで面白い現象が起こります。

通常サイズの「エビ天丼」1,250円が

一番の出数になると予想していたのですが



いざ始まってみれば

「ヘビー級」1,600円が注文数で第1位。

客単価UPに大きく貢献したのでした。



よく「松・竹・梅」効果って言いますよね。

まさにそれと同じで中間価格帯のメニューが

多くの人に選ばれたというわけ。



もともと「ばんちゃ屋」さんの客単価は850円前後。

それが「ギガ盛り」メニューのお陰で

客単価980円まで引き上げられました。



次のメニューはもっと強烈。


「ギガ盛り」メニューで

気を良くした大迫店長と私。



次なる「ギガ盛り」メニューの開発に取りかかり

今度は近くの老舗パン屋さんに

特製「バンズ」を焼いてもらい、

出来上がったのがコレ。

「びっくりチキンカツバーガー」です。



ビックリでしょ? 巨大でしょ?

値段もビックリの1,890円。

通常サイズのバーガーと比べたら一目瞭然の巨大さ。



ちなみに

大食いで名をはせる私も、

寄る年波には勝てず3/4しか

食べきることが出来ませんでした(笑)



でも、ご安心を。

持ち帰り可能ですから。

切り分けてくれるので大人数でのシェアもしやすい。



若い方なら1人でぺろりと

平らげる人も居るみたいですよ。



この頃からお客様も楽しんでくれ始め、

もともと繁盛店の「ばんちゃ屋」さんが

「口コミ」効果や、「SNS」での拡散などで

さらに、さらに有名になっていきます。



そして、

創業30年以来、はじめてとなる
1日の来店数400人を越える大盛況を経験します。



そうなると、

地元百貨店やテレビ局、タウン誌などから

取材の申し込みがたくさん舞い込み、

さらにお客様が増えていくという

「好循環」のサイクルが回り始めます。



また、こんなこともありました。

「ばんちゃ屋」さんの

2大看板メニューと言えば

「チキンカツ定食」と「から揚げ定食」。

この2つで全体の8割を超えるという

「代名詞」的な存在の定番メニュー。



そんな中、

支店である「山口店」から1つの提案が。



「お客様の声」を取り入れた、

「チキンカツ」「から揚げ」

どちらも少しずつ食べられる

「ミックス定食」1,000円を提供してみよう、と。



これがもう

爆発的な大ヒット。



「チキンカツ定食」「から揚げ定食」

どちらも730円の2大定番メニューなので

1,000円の「ミックス定食」が注文されると

単純に、客単価が270円も上がります。



270円は大きい。


1日300人の来店客がいて

仮に、客単価が看板メニューと同じ

730円だったとすると

1,000円の「ミックス定食」に代替されれば



1日で売上81,000円。

1カ月で2,430,000円。

1年間では29,160,000円もの「差益」になります。

とんでもなく「インパクト」のある数字ですよね。



もちろんメニューブックにも

「単品メニュー」の欄の中に

「から揚げ」「チキンカツ」は載っていますが

「セット」の方が心理的な抵抗が少ない。



たったこれだけのことに

何故30年も気付かなかったのか。



どこかで気付いて改善していたら

お客様も喜んで、お店ももっと繁盛して

どちらにも良い結果をもたらしたはずですよね。



これもすべて「日報」で
毎日の「気付き」の「見える化」をしたことと
日々、「日報」で「思考錯誤」の答え合わせをしたお陰。



まとめると、

「ばんちゃ屋」さんの成功の秘訣は
通常メニューより高単価で付加価値のある
たとえば「ギガ盛り」メニューを
既存客に注文してもらうことでした。

それにより、客単価を大きく上げることに成功し
年間1,000万円以上もの売上増加につながったのでした。



「付加価値」を値段以上に上げれば
お客様も喜んでお金を払ってくれる。



この重要な真実に気付かせてくれる事例だと思います。



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日報コンサルタント 伊藤博紀

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「自分らしさを独自の強みに変えればビジネスは変わる!」 社員5名以下の会社の売上を伸ばす専門コンサルタント。 山口市、宇部市など山口県内を中心に飲食店、理美容室、士業、花屋、営業会社など多種多様な業種のクライアントの売上を改善させている。 ちょっとしたビジネスのコツ、販促のやり方など実際の事例を中心にお役立ち情報を発信中。