第107回 「マニュアル化」は初めの段階から作り始めておく
「備えあれば憂いなし」
「何事も最初が肝心」
っていうじゃありませんか。
とある産業用製品の
「代理店」をしているクライアント。
その会社の29歳の営業マンは
営業成績がなかなか好調で
メーカーが決めた「予算」も
「通期」できっちりクリア。
彼は前の会社では
「新規開拓」中心の営業として
あまり良い結果を残せませんでしたが
「ルート営業」として
採用されたこの会社では
「地道」に客先を訪問したこと、
関係性の「発展」に注力したこと、が
「ルート営業」としての
彼の才能を開花させることにつながりました。
しかし、会社側からすれば
何が「原因」で上手くいっているのか
あまり分かっていないのが問題でした。
また、会社の方針として
どんどん売上を拡大して
営業スタッフを増やす計画があり
近い将来「新人営業スタッフ」を
育てる必要があることは分かっています。
そこで
「定期面談」の時間を使って
成果を出している営業スタッフである彼の
「営業ノウハウ」をヒアリングして
書き出してみました。
(以下は、秘密保持のため簡略化してあります)
1、 初回訪問(買い替え時期の過去客)
① 大きな声で挨拶する
② 自己紹介して名刺を渡す
③ 訪問の主旨を伝える
「実は、〇〇年に製品を納入させていただいておりまして…
担当が変わったので挨拶に参りました。」
「担当の方はいらっしゃいますか?」
④ 「納入してから〇年経過していますので
今後のために無償で点検させてもらえないでしょうか?」
※相手が忙しいときは引き下がって次回アポを取る
2、2回目訪問(2週間以内)
①「近くを通ったのでお邪魔したんですけど、
前回ご提案した無償点検の
スケジュールはご検討いただけました?」
(YES)→改めて日取りの設定をさせてもらう
※何回も会った方が親しくなる
(NO)→
・「これは営業活動ではなくて、
メーカーが無償点検をするようにとの意向なんです。」
・「お客様サポートの一環としての無償点検で、
お金は一切かかりませんのでご安心ください。」
※不信感からのNOの場合
→改めて訪問して「点検案内」などのエサをまいて再訪問につなげる。
3、無償点検後
①報告書を持参する
→「点検結果はこういう状態なので、
買い替えを検討してみてくださいね。」
※はじめから買い替え時期の顧客を訪問している
②見積もり依頼を受ける
③正式な見積書を持って行く
→金額が大きい「見積もり」なので、急いでクロージングはしない
4、再点検(半年後くらい)
・「再点検」させてもらい、前回データと比較して「買い替え」を促す
→わかりやすい「写真」を撮って
先方が上司に報告しやすい「資料」にして相手に渡す
<注意点>
・たまに顔を出しておくこと
「近くを通ったので寄ってみました。」
・雑談をして親しくなっておくこと
・知っていることでも相手に「相談」してみる
・新人は可愛がられるので、謙虚な姿勢をもつ
どうでしょうか?
これがあるだけで
新人営業スタッフは
かなり楽なんじゃないでしょうか?
まだ「営業マニュアル」と呼べる
シロモノではありませんが、
これがあれば
自分で正解にたどりつくまで
何度も試行錯誤する必要がないので
最短距離で「一人前」の営業に育ちそうです。
また、この営業方法で
実際に成果を出している彼もまた
これをもとにチェックしていくことで
成約率をさらに高めたり、
スランプになっても
見返せば復活するでしょう。
このように
「文書化」「マニュアル化」は
ビジネスが成長していくために
欠かせないものの1つ。
とくに
小規模企業において
社長がいつまでも
現場から離れられないと
成長の機会を潰してしまいます。
ビジネスが大きくなってから
「マニュアル」を揃えるのではなく
小規模のうちから将来を見越して
ノウハウの「文書化」「マニュアル化」をしておく。
そうしなければ
押し寄せる仕事に忙殺されて
身動きが取れなくなるでしょう。
この産業用製品の
「代理店」の会社の営業部門は
これでようやく営業スタッフを採用する
スタートラインに立ったと言えるでしょう。
人は「ゼロ」から「1」を生み出すのは
心理的にハードルを感じますが
「1」を改善して「3」にも「4」にもするのは
そんなに苦痛を感じません。
まずは、あなたの会社で
ノウハウの「文章化」「マニュアル化」が
出来ていない部分を探して
カタチにすることを取り組んでみては?
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日報コンサルタント 伊藤博紀
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